光合成核遺伝子の組織特異的発現制御機構
光合成遺伝子は，根や従属栄養培養カルスでは発現しないのに，葉に代表される緑色組織で発現するのは何故であろうか？ この疑問に答えるために，代表的な光合成核遺伝子として，光合成 CO2 固定酵素リブロース-1,5-二リン酸カルボキシラーゼ／オキシゲナーゼ (Rubisco) の S サブユニットをコードする遺伝子 (RBCS) に注目し，シロイヌナズナにおける RBCS 遺伝子ファミリーメンバーの遺伝子座を決定した．
この遺伝子発現を指標にし，変異原薬剤処理による突然変異誘導に加え，変異遺伝子座の同定が容易なアクティベーションタギングをシロイヌナズナに適用した．
非光合成組織である根や黄化カルスにおいて光合成遺伝子が発現している res (root expression of RBCS) および ces (callus expression of RBCS) 突然変異体および光合成細胞においてRBCS の発現が低下している複数の des (depressed expression of RBCS) および sug (suppressed greening) 突然変異系統を選抜した．ces101 の原因遺伝子が受容体キナーゼをあることを突き止めた．
